2分間のタイムリープ！『リバー、流れないでよ』のネタバレなし&ありの感想

あらすじ

舞台は、京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」。
静かな冬の貴船。ふじやで働く仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。
だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく貴船川を前にしている。
「・・・・？」

ミコトだけではない、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちはみな異変を感じ始めた。
ずっと熱くならない熱燗。なくならない〆の雑炊。永遠に出られない風呂場。自分たちが「ループ」しているのだ。しかもちょうど2分間！

2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまう。
そして、それぞれの“記憶”だけは引き継がれ、連続している。
そのループから抜け出したい人、とどまりたい人、それぞれの感情は乱れ始め、
それに合わせるように雪が降ったりやんだり、貴船の世界線が少しずつバグを起こす。
力を合わせ原因究明に臨む皆を見つつ、ミコトは一人複雑な思いを抱えていた―――。

『リバー、流れないでよ』公式HP

【ネタバレなし】映画全体の感想

低予算の中のアイデア勝負！といった感じの映画で、『カメラを止めるな』と似た雰囲気。

前述の通り、面白いという評判を聞いていたので、多少自分の中でハードルは上がっていた感覚はあったものの、それでも「面白かった」と言える映画だった。満足！

ゆるく楽しく、時にシリアスになりつつも、やっぱり楽しい作品。

2分間をひたすらループするという形式なので、途中で中弛みするかもと思ったが、狭い舞台ながらも場面ごとに場所が移ったり、少しずつ話が進んでいくので心配なし。

むしろ、タイムリープから抜け出すために頑張るみんなを応援したくなって、どんどん引き込まれていく。

タイムリープという特殊な状況を登場人物がすぐに飲み込むのも、可笑しさであり、テンポよく話が進んでいく点でもあり、上手いことできている。

上映時間も86分と短め。個人的には丁度よい長さ。

くるりの音楽も映画に合っていて良かった。

この映画は、京都を中心に活動するヨーロッパ企画という劇団が制作した映画の第2弾だそうで、これまで通ってこなかったけど、他の作品も見てみたい。

【ネタバレあり】細かなシーンあれこれ

• 急に雪が降った場面になっても「世界線が変わった」という万能ワードで解決。便利。
• 貴船の景色は美しい。貴船行ってみたい。
• 「初期位置ここなんでー」「このターンは休もう」というメタワードもゆるくて良い。
• 何度も階段登ってミコトちゃん大変そう。
• 料理長説明の邪魔すんな。
• 編集者服着ろ。
• 作家の先生のように死ぬ勇気は自分にはない。
• 雑炊食べてた二人が仲直りした理由が薄くて、個人的にもやもや。
• タクが「何かあったの？」と出てくるまでタクの存在忘れてた自分ポンコツ。
• 皆が「自分が原因かも…」という流れからエイジの「全然関係ないです！」はとても好き。
• 初期位置的に2分で神社までたどり着ける場所に猟師はいたのか？とか考えるのは無粋。
• 未来から来てトラブルを現代人に解決させるとか時空干渉も甚だしい！と言うのも野暮。
• 未来は楽しいようで何より。